紡がれた「今」の連続の先にある未来という名のもう一つの「現実」を浮かび上がらせる鋭利な視線、そして呼び醒まされるいつかの記憶
2018年「Rapture」と題したシリーズをAL(東京)で発表、同名の写真集を刊行し、また同年、存続の危機にある京都大学・吉田寮を納めた作品「Polish」を京都・旧立誠小学校内立誠図書館壁面にて展示するなど、精力的に活動を続けている澤寛。
東京の街並み、海外の風景、人物のポートレート、建築写真、抽象画のようなカットなど、あらゆる写真が収められた本作品群は、まるで異なる人物が撮影したかのような多面な表情を見せます。澤寛は視覚の一部に一瞬映った違和感を逃すことなく本能的に捉え、実像と虚像、その場に在る過去と未来の気配を浮かび上がらせます。そうして鋭利な視線により紡がれた「今」の連続は、いつか起こりうる未来という名のもう一つの「現実」を私たちに想起させます。
澤寛が幼少期に見た「変わりゆく景色のなかに世界を見た」かのように、澤寛の体を通し切り取られた一瞬と風景が立ち並ぶ作品群は、鑑賞者自身のいつかの記憶と重なり、さまざまな感覚と対峙することとなることでしょう。
澤 寛 Kan Sawa
1984年神奈川県生まれ。美術大学在学中より映画製作の現場に携わり、2018年より澤寛名義にて写真家として活動を開始。同年、写真作品「Rapture」を発表、NHK ドラマ『ワンダーウォール』のビジュアルディレクターとしてスチールを撮り下ろし、写真集『ワンダーウォール』を出版。京都大学吉田寮を撮り下ろした「POLISH」をAL(東京)、京都旧立誠小学校内立誠図書館壁面にて発表。2019年4月12日より5月12日までhaku(京都)にて開催中のKYOTOGRAPHIEサテライトイベントKG+では写真作品「Rapture」を出展するなど精力的に写真家としての活動を続けている。
澤田石和寛名義では映画『るろうに剣心』シリーズやau KDDI TVCM 三太郎シリーズのキャラクターデザインで知られ、映画『十三人の刺客』(2006年)、映画『パンク侍、斬られて候』(2018年)にてアジアンフィルムアワード ベストコスチュームデザイナーに2度ノミネートされている。
書籍情報
タイトル:Heavens of Light, Planet of Solitude
写真・文:澤 寛
ブックデザイン:原 耕一、七郎(trout)
定価:12,000円(税別)
判型:B6 判変形/404ページ/ハードカバー/ケース入り
テキスト:日本語/英語
限定300 部
ISBN978-4-908062-27-8 C0072
発行日:2019年5月下旬
*HeHeディストリビューション商品です
*For the International shipping:
please contact “[email protected].”