母の裁縫箱を撮影したことをきっかけに、その後100人にも及ぶ撮影をまとめた写真集『お裁縫箱』の発表から2年。
生活の延長にテーマを持つ大橋が、連なりながら大きなくくりとしての生=命に関心を向けた最新作、10年の歳月をかけ撮り下ろされた『umbilical cord』。
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掌に収まるほどの写真集だが、開けばそこに広がる世界は壮大かつ深遠だ。3億年前から積み重なる地層、高い塩分濃度のために魚も生息できない湖、解体された猪の内臓、赤い布の上の今にも泣き出しそうな嬰児—
大橋愛が、多岐にわたる場所で10年の歳月をかけて撮り下ろした119枚の写真。付されたタイトルは「へその緒(umbilical cord)」という。
「気になるものを撮り集めておく」ことから始まったこのシリーズは、近年の大橋の関心が「命」へと向けられてきたことを顕にした。「死の縁から生を、生のそばから死を覗く」試みである「piece」から12年。生死について、写真家の思考はより深められ、さらに言語化や可視化が難しい領域に分け入ったようだ。
菊田樹子(インディペンデント・キュレーター)(本文より)
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大橋愛(おおはし・あい)
1974年、神奈川県生まれ。1995年、東京綜合写真専門学校卒業。主な個展に「お裁縫箱」 (2023年、KANZAN gallery、東京)「arche」(2019年、POETIC SCAPE、東京)、「イヤーンの村」(2014年、銀座フォト・プロムナード、東京)、「piece」(2013年、FOIL GALLERY、京都/hpgrp GALLERY 、東京)、「UNCHAINED」(2008年、FOIL GALLERY、東京)など。写真集に『arche』(2019年、poetic scape)、『piece』(2013年、 FOIL)、『UNCHAINED』(2008年、FOIL)、『Longe daqui』(2004年、新風舎)がある。
https://eye-ohashi.com/
書籍情報
タイトル:大橋愛 umbilical cord
テキスト:菊田樹子(インディペンデント・キュレーター)
デザイン:渡部寿彦(full size image inc.)
定価:3,500 円(税別)
判型:A6判(105 x 148 mm)
ソフトカバー/リング製本/128ページ
テキスト:日英
発行:大橋愛
発売日:2025年3月
*本書には一部、性的な表現を含む作品が収録されています。